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■教育事情

教育制度

5-4-3制。小学校が5年間(6歳〜11歳)、中学校が4年間(11歳〜15歳)、高校が3年間(15歳〜18歳)。高等教育機関である短期大学は3年間、大学は4年間(医学部等は6年間)、大学院前期課程(修士課程)は2年間、大学院後期課程(博士課程)は2年間である。義務教育は小学校の5年間。この他、高校、高等教育段階に相当する職業教育・専門学校や職業訓練を主として行う教育機関もある。10歳以上の識字率は約88%。

日本語教育

日本語教育は、高等教育機関、その他社会人を対象とした一般教育機関で行われている。学習人口は1万人を超えているが、アジアにおける通貨危機と長引く日本の経済不況を反映してベトナムにおける日系企業の活動も冷え込んでおり、最近は日本語学習者の数も伸び悩んでいる状況にある。
 1973年にハノイ外国語大学、ハノイ貿易大学で日本語教育が開始され、その後他の国立大学や私立大学でも日本語教育が開始された。最初は日本語学科として始まったが、学部として独立した機関もあり、民間の日本語教育機関も設立されるようになった。

日本人学校
 ハノイ在住の日本人父兄の強い希望と在ベトナム日本大使館などの援助により、1996年に児童生徒数13人、教職員8人で、在ベトナム大使館付属ハノイ日本人学校(THE JAPANESE SCHOOL OF HANOI、が開校した。以来、児童生徒数は年々増加し、2003年4月9日現在で83人が在籍している。

<入学手続き>
a) 必要書類
入学願書、入学金払い込み書、授業料払い込み書、教科書給与証明書
b) 日本から持参する書類
在学証明書
c) 使用教科書
海外の学校は、すべて同じ教科書を使用している。教科書は、上記の教科書給与証明書を「海外帰国子女教育振興財団」に提出し、日本をたつ前に受領すること。

<財団法人 海外帰国子女教育振興財団>

URL:http://www.joes.or.jp
E-mail:service@joes.or.jp
受付時間:9:30〜17:30(月曜日〜金曜日、祝日・年末年始を除く)
  • 東京
    住所:〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-4 愛宕東洋ビル6階
    電話:03-4330-1349 FAX:03-4330-1355
  • 関西分室
    住所:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-3-1-200
        大阪駅前第一ビル2階
    電話:06-6344-4318 FAX:06-6344-4328
d) 諸経費
入学金は1000米ドル、授業料は500米ドル/月、バス通学費は70米ドル/月、教材費は学年ごとに異なる。また、PTA会費は別途徴収する。

<退学手続き>
 日本国内の学校への編入学にあたっては、在学証明書、指導要録の写し、健康診断書、歯の検査表が在ベトナム日本人学校から保護者に渡される。
 帰国後は、市町村役場もしくは出張所で住民登録を行ったあと(パスポートが必要)、市町村教育委員会に指定された学校と連絡をとる。

現地校、外国人学校
 ハノイで外国人が通学できる学校は、Lyoee Francais Alexandre Yorsin Hanoi(通称:フレンチ)、United Nation International School(通称:ユニス)、Hanoi International School(通称:HIS)などで、高等教育までの一貫教育を行っている。

幼稚園
 ベトナムのハノイにある幼稚園は次のとおりである。
  • Rainbow School(通称:レインボー)
  • Morningstar International Kindergarten(通称:モーニングスター)
  • System's Little House(通称:システム)
  • Kinder World International Kindergarten

教育関係施設
図書館など

 ハノイには国際図書館と社会科学通信図書館があるが、いずれにも日本語の図書はほとんどない。


教育行政

初等・中等教育機関は、ほとんどが教育訓練省の管轄下にある。
高等教育機関は教育訓練省の直接の管轄下にある大学が過半数を占めるが、厚生省、文化情報省、財政省、司法省、建設省、交通運輸省、農業・農村開発省など各省庁が管轄する大学も少なくない。教育訓練省はすべての大学に対して監督権を持ち、入学、大学定員、教科編成、単位認定、学位認定などの面で強力な指導力を持つが、他省庁が管轄する大学は、それぞれの省庁が財政を担い管理運営している。


■医療事情

赴任前の準備

(1) 予防接種
 ベトナム入国に際して義務づけられている予防接種はないが、狂犬病、A型肝炎、破傷風、B型肝炎の予防接種は、日本を出発するまでに1回目と2回目を接種することを勧める。腸チフスワクチンはベトナムで接種できる。
 Hanoi French Hospital、Hanoi Family Medical Practice、SOS InternationalClinicでは、WHO(世界保健機関)が推奨する国際基準のワクチン接種を受けられる。

(2) その他の準備
 該当情報なし。

医療事情
(1) 医療機関
 外国人が利用する国際レベルの病院には、2000年1月に100%フランス資本でオープンした私立病院のHanoi French Hospitalがあり、よりよい環境づくりと医療サービスの向上をめざして先般院内を改装したばかりである。入院ベッド数56床、診療科目20を備え、ハノイ市内では唯一外国人が胃カメラ検査を受けられる総合病院である。
 外国人が利用する国際レベルのクリニックには、Hanoi Family Medical PracticeとTHE DENTAL CLINICがある。両クリニックともショートステイ用のベッドを設備しているが、長期入院治療や手術は不可能である。

(2) 緊急時の対応と措置
 緊急時は、ハノイ市、ホーチミン市、ブンタオにあるSOS International Clinicとコンタクトをとり、患者の容体に応じ国内移送の方法と時期を検討する。最寄りのSOS International Clinicで諸検査を実施し、担当医がベトナムでの治療が困難と判断した場合は、第三国への移送、受け入れ病院の確保、飛行機の確保などが行われる。これらすべてのアレンジは、SOS International Clinic に任される。

医薬品、衛生用品
(1) 携行することが望ましい医薬品

 風邪薬や解熱鎮痛剤、うがい薬、マスク、胃腸薬、消毒薬、虫よけスプレーなどを日本から持参するとよい。

(2) 現地で調達できる医薬品
 虫よけスプレー以外の医薬品は薬局で購入できるが、薬局によっては品質管理が徹底していないこともあるため、外国人が利用するクリニックで診察を受け、医師の処方を受けることを勧める。

(3) 現地で調達できる衛生用品
 ハノイ市内でも生理用品のうちタンポンの入手は困難である。使い捨てコンタクトレンズは入手可能。

(4) 薬局
 該当情報なし。


妊娠、出産、育児

(1) 妊娠した場合の対応
 Hanoi French Hospitalでは、これまで数人の日本人が出産している。同病院には出産パッケージがあり、普通分娩の場合、出産前の定期検診から産後の母子検診まででパッケージ料金は2000米ドルとなる。
 Family Medical PracticeとSOS International Clinicでは、分娩用の設備がないため、外国人患者には自国に戻って出産するように勧めている。帰国の時期は担当産婦人科医のアドバイスを参考に患者本人が決めるが、平均すると出産予定日の約2カ月前に帰国するケースが多い。帰国の際には、医療機関への紹介状、それまでの検査結果、飛行機搭乗に必要な書類(Fit for Flight)、エコー写真などが用意される。

(2) 出産後の対応
 新生児の予防接種(BCG、DPTとポリオ2回目まで)が終了する生後4カ月までは、日本に滞在することが望ましい。しかし、家族の希望でそれより早く乳児をベトナムに同行する場合は、外国人が利用するクリニックで小児用の予防接種パッケージプランを利用し、安全性、有効性が高いワクチンの接種を受けるとよい。


(3) 育児
 近年、ハノイ市内でも育児用品の品揃えが増え、入手しやすくなってきているが、値段は日本よりやや高めである。粉ミルクは種類が豊富で、雪印の粉ミルク(オーストラリア製あるいはニュージーランド製)のほか、アレルギー体質用の大豆たんぱく成分のミルクも入手できる。離乳食は日本製はあまり出回っていないが、アメリカ資本のガーバー社製やフランス資本のBlendina社製の離乳食の種類は豊富である。
 日本製の紙おむつもスーパーマーケット、ベビー用品店で手に入る。その他の育児用品(おしゃぶり、歯固め、歯ブラシ、哺乳瓶、ベビーシャンプー、ベビーオイル、ベビーソープ、お尻ふきなど)は、ピジョン、ジョンソンエンドジョンソン、ヌークなどの有名メーカーの製品が入手できる。オッパイパッドも高価であるが入手できる。その他、ベビーベッド、ベビーカー、ベビーチェア、玩具、三輪車、子供用自転車などもベトナムで購入できる。
 ただ、ベビー用ゲート(柵)と子供用ビデオ(日本語版)は入手困難である。その他衛生面に配慮した除湿機や空気清浄機を利用する場合は、韓国製品なども購入できるが、高価な上に性能などを考慮すると、日本から持参するほうがよいだろう。

手術
(1) 現地で可能な手術
 Hanoi French Hospitalでは、日本人の小手術(ガングリオン=結節腫切除、虫垂炎切除など)の実施実績はあるが、術後に経過観察を要する症例や、リハビリが必要な場合は、日本で手術を受けることが望ましい。

(2) 手術設備の状況
 緊急時を除き、ベトナムでの輸血は勧められない。しかし、緊急時は、外国人が利用するクリニックか病院で、厳格な検査に合格した献血者血液の供給を受けることができる。

(3) その他の留意点
 該当情報なし。


現地での傷病

(1) 一般の疾病
 ハノイ市内で日本人がかかりやすい疾患は、風邪、気管支炎などの呼吸器疾患、下痢、腹痛、発熱などの消化器疾患、アレルギー疾患、流行性結膜炎などである。ハノイ市は大気汚染が著しい上に、外気とオフィス内の温度差が激しいため、体調を崩しやすく呼吸器疾患が長びくことがある。日ごろから手洗いやうがいの励行、人ごみでのマスク着用を勧める。

(2) 風土病、感染症
 ベトナムは南北に長い国土のため、地域により感染症疾患も異なる。中部山岳部、沿岸地域はマラリアの汚染地域であり、その他結核、ハンセン病、ペストもこの地域に多い。
 ハノイ市内ではマラリアの流行はないが、デング熱、狂犬病、HIV、結核、A型肝炎、B型肝炎、腸チフスなどの感染症に注意を要する。予防接種で防ぐことができる感染症はワクチン接種をして予防に心がけることが肝要である。その他、昼夜とも蚊に刺されないように蚊帳、虫よけスプレーの使用と、長そで着用など、服装に留意することも重要である。
 また、ベトナム国内では狂犬病による死亡者も出ているため、むやみに動物に近づかないように注意する。

(3) 有害動物、病害虫
 該当情報なし。


保健衛生

(1) 飲料水
 上水道の普及率が低い上に水道管の老朽化、破損により、漏水や下水、汚染物が混入していることが多いため、生水は飲めない。ミネラルウオーターか、煮沸した水を使用すること。

(2) 濾過器の入手
 該当情報なし。

(3) その他の留意点
 生もの(野菜、魚、果物、牛乳、卵など)の摂取は避け、火を通してから食べることを勧める。
 市内のいたるところで見かける大衆食堂は、安い値段でフォーや氷あずきなどを食べることができ、ベトナム庶民の食文化に触れる恰好の場だが、衛生面を考えると、あまり勧められない。こういった店では生野菜と氷に注意する必要がある。
 ハノイ市内でも公衆トイレはほとんど見あたらない。あったとしても、有料の上に不衛生である。
 ホテルやレストランに立ち寄った時は、必ず用を済ませるようにするとよい。また、ポケットティッシュとウエットティッシュを携帯すると重宝する。


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