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ベトナムの地理と気候について。もっと知りたいベトナムあれこれ事情です。

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ベトナムあれこれ1ベトナムの地理と気候について

ベトナムの地理と気候

■ベトナムの気候
ベトナムは全体としては高温多雨で、熱帯モンスーン気候に属している。しかし、南北に細長い国土のため、同じ時期でも地域によって気候は大きく異なっている北部は温帯モンスーン気候、南部は熱帯気候で5月中旬から9月中旬までが雨季、10月中旬から3月中旬までが乾季となる。旅行のベストシーズン (南部)雨が少なく、湿度も下がる11月〜3月。(中部)雨が少なく、気温も比較的低めの2月〜3月。(北部)雨が少なく、気温も下がる11月〜12月。
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各地の気候
平均気温と降水量
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
ハノイ 平均気温℃ 16.6 17.1 19.9 23.5 27.1 28.7 28.8 28.3 27.2 24.6 21.2 17.9
降水量 mm 18 26 48 81 194 236 302 323 262 123 47 20
フエ 平均気温℃ 20.0 20.9 23.2 26.0 28.1 29.3 29.3 28.8 27.1 25.0 23.2 20.9
降水量 mm 188 89 57 64 78 104 76 124 498 744 593 346
ニャチャン 平均気温℃ 23.9 24.5 25.8 27.2 28.2 28.3 28.2 28.1 27.4 26.3 25.3 24.4
降水量 mm 50 18 31 40 61 47 42 53 162 322 359 174
ホーチミン 平均気温℃ 25.7 26.6 27.8 28.8 28.8 27.4 27.0 27.0 26.7 26.6 26.3 25.7
降水量 mm 14 5 12 50 221 315 296 274 332 264 115 51

■ベトナムの地理・気候の詳細
1. 山岳地帯(vung mien nui)
 山岳地帯は14省、山岳地帯を含む省は23である。中国、ラオス、カンボジアと4000kmにわたって国境を接している。

 面積は2300万ヘクタールで、全国土面積の3分の2を占めている。食糧生産にはむかないため、住民には焼き畑をおこない最低限の糧を得ているものが多い。現在までにかなり規制されてきたが、その影響は大きい。(水資源の枯渇、土地の荒廃、洪水、干ばつ、河川の流れへの影響など)。1945年に森林被覆面積は全国土の45%を占めていたが、現在では26%に減少している。これは約863万ヘクタールに過ぎない。ある山岳地帯の省は被覆面積が7-10%である。ちなみに全国の荒廃化された土地は約1342万ヘクタールで全国土の34.5%を占める。

 人口は2400万人で、全人口の3分の1、人口密度(平均)は100/平方キロメートルである(全国平均は200/平方キロメートル)。場所によっては5-7/平方キロメートル。

 この地域の大多数の住民は少数民族である。一般的に教育水準と物質的・文化的生活水準はかなり低い。

 水資源に関しては、全国の主要河川の源があることから豊富で、経済発展、生活、水力発電の需要にも十分応えることができる。これらの河川は毎年数百億立方メートルの土砂を運び、耕地面積の増加を生み出している。

 地域的には4つに分けることができる。

  1. 北東部:北部沿岸から中国国境の半ばまで。少数民族のタイ(Tay)、ヌン(Nung)、ザオ(Dao)族などが居住。中国貿易の発展の影響などで最近の生活条件の改善は著しい。穀物生産、林業、工業作物・果樹栽培、畜産が主要。
  2. 北西部:北東部からラオス国境まで。少数民族のターイ(Thai)、ムオン(Muong)、フモン(H'Mong)族などが居住。一般的に物質的生活水準は低い。林業、米、畜産、工業作物、果樹、薬草生産が主要。
  3. チュオンソン(Truong son)山脈部:北西部から中部高原(タイグエン)まで。ホアビン(Hoa Binh)省、タインホア(Thanh Hoa)省から縦にチュオンソン山脈に沿って中部高原まで。海からの台風と、ラオスからの熱風を受け気候はとても厳しい。高山や河川によって分断され、居住する少数民族もきわめて少数で分散している。ある少数民族は数百人に過ぎない。他の地区に比べると物質的生活水準はきわめて低い。
  4. 中部高原(タイグエン)部:4省から成り立つ。地域としては高原地帯で一つのまとまりがある。ラオス、カンボジアと国境を接している。気候は乾燥、高温で、季節は雨期と乾季に明確に分かれている。コーヒー、ゴム、茶などの生産が盛ん。森林被覆率も40%。この地域の少数民族は、エデ(Ede)、バナ(Bana)、ザーライ(Giarai)族など。
  5. 南東部:中部高原からメコンデルタまで。他の地区に比べかなり裕福。ホーチミン市にも近く、農・林産物加工工業地区もある。人口密度も250/平方キロメートル。少数民族の居住は少ない。

  「ベトナム農村・農業経済・社会の全面的発展」(CHU HUU QUY19963月出版から

参考写真)中国国境(北西部)ラオカイ省サパ フモン(H'Mong)族の村
     中部高原(タイグエン) エデ(Ede)族の集落

2. メコンデルタ地帯(vung Dong bang song Cuu Long「クーロン河平野」)

 39568km2の面積、国土の12%を占め、約1606万人の人口、全人口の22.08%を占めている(1995年)。ロンアン(Long An)、ティエンザン(Tien Giang)、ベンチェ(Ben Tre)、ビンロン(Vinh Long)、チャビン(Tra Vinh)、カントー(Can Tho)、ソクチャン(Soc Trang)、バクリェウ(Bac Lieu)、カマウ(Ca Mau)、キェンザン(Kien Giang)、アンザン(An Giang)、ドンタップ(Dong Thap) 省がこの地域を構成している。

 クーロン河平野は、インドシナ半島の南端に位置し、ホーチミン市と固く結びついている。カントー市がこの地域の経済・科学・文化的な中心である。カントー市にはチャーノック工業団地、空港、港湾、大学がある。

 基本的にはメコン河の沖積平野で、平均海抜高度は3〜5mである。

 この地区は3つの土地:

  1. 260万ヘクタールの肥沃な土地、
  2. 160万ヘクタールの明礬の多い土地(ドンタップ地方を中心に広がっている)、
  3. 74.4万ヘクタールの塩分の多い土地(沿海部)
 に区分される。

 上記2と3の地区は乾季と雨季で面積が変わり、乾季は250万ヘクタールであるのに対し、雨季は150万ヘクタールになる。
 現在、この地方で米を生産している面積は280万ヘクタールで、国内最大である。他にも、とうもろこし、さつまいも、さとうきび、大豆、落花生、ジュート、バナナ、やしの栽培に適している。また、日照時間が長く、降雨量が多いので、3期作が可能である。

 7〜8月に始まり11月〜12月に終わる雨季は洪水をもたらすが、乾季に水量は激減する。雨季の水は塩害と明礬の毒を洗い流してくれる。運河や河川が重要な水上交通路としての役割を果たし、淡水水産物の養殖に利用されている。塩分を含んだ地域でもえびなどの水産物の養殖に利用されている。 クーロン河平野は、736kmの海岸線を持ち多くの港湾を持っている。この地域には15万ヘクタールのインジゴとマングローブの森林がある。

 この地域は17世紀に入って主にベト人(キン人)が征服した地域である。人口増加率は高く、最近18年間で520万人の増加があった。人口は東部に集中している(ティエンザンは708人/km2、ビンロンは714人/km2であるのに対して、ミンハイは229人/km2)。約70万人のクメール人がアンザン、キェンザン、ビンロン、チャビン、ソクチャン、カントーの各省に住んでいる。チャクドック(アンザン省)にはチャム人が住んでいる。水稲の栽培と水産物の漁・養殖業を主要な産業としており、性格的には、勤勉、正直、積極的であり、商品生産に機敏である。

 食糧生産面積は約324万ヘクタール(1995年)で全国の40.60%を占めている。籾換算した食糧生産高は1299万トンで全国の44.46%を占めている。この地域の食糧生産の98.7%は米である。1人あたりの食糧生産高は1人あたり808.7kgである。